今年は、アートでヒーリングやセラピーを実践してきたこともあって、原田マハさんのアート小説をちょこちょこと読み進めていました
原田マハさんは元々美術館で働いていた経緯もあり、小説の舞台にはいつもアートがある。
先日読み終わったロマンシエが今までのマハさんの作品の中でも風合いが独特で良かったので感想を
ロマンシエ
文体が今まで読んできた著者のそれとは大きく変わっていたので、ちょっと文体に慣れるのに時間がかかりました。
それもそのはず、主人公は、りゅうちぇるみたいなで(笑)ジェンダーもテーマになっていて、なかなか興味あるストーリーになっていたし、特殊な設定だった。
絵の世界って自由に自分を表現できる場所であることは間違いなくて、そこだけが自分の居場所になれるんだなー。
本来の自分になるための場所が、アートの世界にはあって本当の気持ちを引き出してくれたり、愛や好きになることの本質は・・・と深い小説でした。
特に舞台がパリであり、情景描写が綺麗だし、出てくるフランス語の数々もオシャレで、心地良く読めました。
この物語が実際の展覧会と並行して書かれたものと知ってなんで完成度が高い作品なんだと思いました。
マハさんの作品で以前に読んだことのあるのは楽園のカンヴァス。
楽園のカンヴァス
ルソーについて深入りした内容・・・
話の内容はどちらかというと、ミステリーになっていて、絵画を知らなくても楽しめるけれど、作者の知識に脱帽します。
決して軽い話ではないけれど、一枚の絵を巡っての壮大なストーリーが展開されていて、重みがある分、アートの深い世界が表現されていて心地よく読むことができました。
翼をください
こちらは戦前のアメリカ人女性パイロットと仕組まれた世界一周旅行ということで
フィクションではあるけれど、結構リアルなストーリー。
壮絶な空の旅をさせてくれるリアリティな小説。
自由に空を飛ぶ姿と、実際のドロドロの騙されている
上巻だけ読んで下巻には手をつけていないことを思い出したので、
いつか続きを読もうと思っています。
マハさんの作品で短編集もあります。
ギフト
さいはての彼女
女性の生き方と、再生をテーマにした小説。
登場人物の凪が魅力的で素朴な美しさが描かれている。
ハーレーについて熱く描かれているんだけど、マハさん何者?って突っ込みたくなる(笑)
新しい体験で日常から離れると、そこに思いがけない出会いがある、そしてそこで出会う人から新たな価値観をさずかることがある。
大切なことは肩書きではない。
素晴らしい作家さん。
まだ読みたい作品がいくつもあるから、少しずつ読んでいこう♪